痛風とは
痛風とは、血中の尿酸値が高い状態が持続し、そのため、尿酸が関節の中で固まって結晶となり、その結晶を排除しようと白血球が集まって炎症を起こした疾患です。
ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。
その痛みは耐えがたいほどで、「痛風」という病名には「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いが込められています。
痛風では、発症前に血中の尿酸値が高い状態（高尿酸血症）が長く続きます。
また、痛風を起こす人は、起こさない人よりも心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことが知られています。
この病気の研究は進み、すぐれた薬も開発されているため、適切な治療を受け、生活改善をすれば、まったく健康的な生活が送れます。この病気に詳しい医師に相談の上、きちんと治療を受けることが大切です。
痛風の原因となる高尿酸血症
メタボリックシンドロームの方では血液中の尿酸値も高値であることが知られています。また、内臓脂肪の量と血液中の尿酸値は正比例します。
内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞からたくさんの遊離脂肪酸が分泌されます。それが血流に乗って肝臓に運ばれると、プリン体の代謝が過剰になり、老廃物である尿酸がたくさんつくられるようになります。そのため、メタボリックシンドロームと血液中の尿酸値は密接な関係があるのです。
血液検査によって尿酸値が7mg/dL以上と確認されると、高尿酸血症と診断されます。この状態が長く続くと、痛風や尿路結石といった激しい痛みを伴う病気になりやすくなります。
現在、わが国では、高尿酸血症の患者数は500万人以上と言われており、実に、痛風患者の患者数の10倍以上です。そして、その7割程度にメタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）がからんでいると言われます。
高尿酸血症の治療
高尿酸血症の食事療法では、まずエネルギー（カロリー）の摂り過ぎに注意しましょう。摂取エネルギー量を控えれば、内臓脂肪や体重が減少し、また、多くの場合、体重の減少に伴って尿酸値も低下します。
また、尿酸はプリン体という物質から産生されますので、プリン体を多く含む食品（下記参照）の摂りすぎに注意しましょう。糖分の摂り過ぎも、尿酸値を上げます。ただし過度に神経質になる必要はなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
夏場では、特に水分を十分に摂ることも大切です。尿の量が増えると、尿酸の排泄量が増加することで血液中の尿酸値は低下し、また、尿路結石の予防にもつながります。逆に、アルコールの多量摂取は尿酸値を上げるため、節度を守りましょう。特にビールはプリン体を多く含むので、注意してください。
こうした食事療法と併せ、運動で肥満を解消することも大切です。
また、医師が必要と判断すれば、尿酸の体内での生成を抑える薬や尿酸の排泄を促す薬などが処方されますので、指示通りに服用してください。
プリン体を多く含む食品
・ビール ・レバー類 ・白子 ・えび ・いわし ・かつお など
